狩猟は昔から趣味や娯楽として親しまれてきましたが、近年では鳥獣増加による農作物や人への加害が問題になることも多く、地域の人や自然環境を守るための社会貢献として狩猟をするケースも増えてきました。 野生の鳥獣を捕獲できるのは狩猟者のみで、狩猟できる鳥獣の種類や狩猟期間は法律によって定められています。今回は、鳥獣の狩猟のルールについて詳しく解説します。
目次
狩猟を行うために必要なもの
鳥獣の捕獲は原則として禁止されており、狩猟による捕獲もしくは許可による捕獲のみが行えます。 鳥獣を狩猟するためには、猟法の種類に応じた免許を取得する必要があります。また、免許を取得したあとに、事前に狩猟をしたい都道府県に登録を行い、狩猟税を納付しなければいけません。
狩猟の方法によって免許は異なる
狩猟に必要な免許は、以下になります。
| 免許 | 使える猟具 |
|---|---|
| 第一種銃猟免許 | 装薬銃 |
| 第二種銃猟免許 | 空気銃(コルクは不可) |
| 網猟免許 | 網(はり網、つき網、むそう網、なげ網) |
| わな猟免許 | わな(はこわな、はこおとし、くくりわな、囲いわな) ※囲いわなは農業者又は林業者が事業の被害を防止する目的で設置するものは除く。 |
狩猟できる鳥獣の種類
狩猟免許を取得しても狩猟できるのは、日本に生息している鳥獣約700種類の中の国が指定した狩猟鳥26種と狩猟獣20種の46種類の鳥獣のみです。鳥類
- エゾライチョウ
- コジュケイ
- キジ
- ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く)
- ミヤマガラス
- ハシボソガラス
- ハシブトガラス
- ヒヨドリ
- ムクドリ
- ニュウナイスズメ
- スズメ
- ヨシガモ
- ヒドリガモ
- マガモ
- カルガモ
- ハシビロガモ
- オナガガモ
- コガモ
- ホシハジロ
- キンクロハジロ
- スズガモ
- クロガモ
- キジバト
- カワウ
- ヤマシギ
- タシギ
獣類
- タヌキ
- キツネ
- ノイヌ
- ノネコ
- テン(ツシマテンを除く)
- ミンク
- アナグマ
- イタチ(オスのみ可能)
- シベリアイタチ
- アライグマ
- ヒグマ
- ツキノワグマ
- ハクビシン
- イノシシ
- ニホンジカ
- タイワンリス
- シマリス
- ヌートリア
- ユキウサギ
- ノウサギ
これら46種類の鳥獣を狩猟によって捕獲する際には、免許を取得していれば捕獲の理由は問われず、捕獲するための個別の捕獲手続きも不要です。ただし、毎年狩猟前の登録は行わなければいけません。
また、狩猟可能な鳥獣であっても、各都道府県によって捕獲が禁止されていたり、捕獲数の制限があったりするものがあるため、あらかじめ確認しましょう。
エゾライチョウ
キジ目キジ科
分布
世界的には、ユーラシア大陸北部の針葉樹・混交林に広く分布し、スカンジナビアから朝鮮半島、サハリン、中国北西部などにも見られます 。
日本国内では北海道にのみ分布しており、本州には自然分布しません
特徴
体重:雌雄でほぼ同じで約350~400 g、翼長約17 cm(ウズラよりやや大きい)
羽衣は黄土色・茶色・白色のまだら模様で、換羽による色変化(冬に白くなるなど)は ありません。
足には白い羽毛が密生し、くちばしは黒。
雄には黒い喉紋とその周囲の白い縁取りが見られ、雌にはこの黒喉部がありません
習性
北海道では標高約200~800 mの亜高山帯以下の針広混交林や落葉広葉樹林に生息し、特にカラマツ人工林は避けられる傾向にあります 。
非渡り性の留鳥で、季節移動はほとんど行いません。
成鳥は主に植物食(芽・枝・葉・果実・種子)ですが、幼鳥期には昆虫などの動物質も多く摂取します。
社会構成は、北海道の亜種では10羽未満の小規模群れで行動します(大陸では10羽以上の群れを形成)
繁殖行動:
雄は3月末頃から縄張り形成し、メスとつがいを作り、「一夫一妻」または「一夫多妻」の両方が確認されています 。
繁殖期は5月、地上に巣を作り7個程度の卵を産み、抱卵はメスのみで約23日。雛は巣に戻らずメスにより保護され成長し、オスは産卵後につがいを解消します。幼鳥と雌は秋まで「家族群れ」で過ごします。
越冬時の行動:非積雪期は樹上をねぐらとし、積雪期には雪中に浅い穴を作って眠る習性があります。
捕獲制限数
1日2羽まで
コジュケイ
キジ目キジ科
分布
中国南部および台湾原産の外来種で、日本では本州南部以南・四国・九州・伊豆諸島・小笠原諸島などに定着。
積雪の少ない暖地を好むため、日本海側や東北地方の寒冷地にはほとんど分布しない。
主に人里近くの竹藪・雑木林・農耕地周辺に生息している。
特徴
全長約27~33cm。ウズラより一回り大きく、チャボよりやや小さい。
頭部は暗褐色から灰褐色、背・腹部には黒褐色の斑模様。尾は赤褐色で、飛翔時に目立つ。
雌雄はほぼ同色で外見による識別は困難。
鳴き声は「チョットコイ、チョットコイ」と聞きなされるほど大きく、朝や夕方に特によく鳴く。
習性
留鳥であり、季節移動はほぼしない。
非繁殖期には2~20羽程度の小群で行動。驚くと一斉に低空飛行で逃げる。
食性は雑食性で、植物の種子・芽・果実・草の葉などを主に食べるが、昆虫やクモ類などの小動物も捕食する。
繁殖期は4~6月。地上の草むらなどに7~8卵を産み、メスが約17~19日間抱卵する。
雛は孵化後すぐに自力で歩行・採餌でき、親(雌雄)とともに行動する。年2回の繁殖も可能。
捕獲制限数
1日5羽まで
キジ
キジ目キジ科
分布
日本の固有種で、本州・四国・九州および一部の島嶼部(淡路島、対馬など)に分布。
北海道には自然分布せず、一部地域で放鳥個体が見られるが定着例は少ない。
生息地は農耕地、河川敷、草原、低山地の林縁など。人里近くの耕作地でもよく見られる。
特徴
オスは全長約80cm(尾含む)、メスは約58cm。
オスは体色が光沢のある緑色で、赤い顔の肉垂れ(アイリング)をもち、尾は長い。
メスは全体的に茶褐色で斑模様、地味な体色。
翼は短く、飛翔は苦手だが走行能力が高く、低空を一直線に飛ぶ。
習性
留鳥で、年間を通してほぼ同一地域で生活。
単独またはつがいで行動し、繁殖期以外はオスも単独行動が多い。
食性は雑食性:植物の種子・芽・果実・草、昆虫、クモ、小型爬虫類などを採食。
繁殖期は4〜6月。地上に草を敷いた浅い巣を作り、1腹8〜12個の卵を産む。抱卵・育雛はメスのみが行う。
雛は孵化直後から歩行・採餌可能な「早成性」。
捕獲制限数
ヤマドリ・キジ(亜種のコウライキジを含む)の合計が1日2羽。
キジの捕獲を目的とした放鳥獣猟区以外では、メスのキジの捕獲は禁止されている。
ヤマドリ
キジ目キジ科
分布
日本の固有種で、本州・四国・九州に分布。北海道には自然分布していない。
主に山地の森林や里山林、渓流沿いの林縁など、やや標高の高い森林環境に生息。
同属のキジよりも人里には出にくく、より森林性が強い種。
特徴
全長:オスで約125 cm(尾が非常に長い)、メスは約55 cm。
オスは光沢のある緑~青紫の羽に、赤い顔、白い首輪模様(亜種による)。尾羽は非常に長く、体長の半分以上を占める。
メスは褐色の地味な羽色で、体型はキジのメスに類似。
地上性が強く、飛翔よりも歩行・走行を得意とする。
習性
留鳥で、通年で同一の山林で生活。
単独またはつがいで行動。キジよりも警戒心が強く、林内でひっそりと暮らす傾向がある。
食性は雑食性:樹木の芽、草本、種子、果実、昆虫、ミミズ、小型爬虫類など。
繁殖期は4〜6月。地上に草を敷いた浅い巣を作り、1腹8〜12個の卵を産卵。抱卵・育雛はメスのみが担当。
雛は早成性で、孵化後すぐに採餌・歩行が可能。
捕獲制限数
ヤマドリ・キジ(亜種のコウライキジを含む)の合計で1日2羽。
ヤマドリの捕獲を目的とした放鳥獣猟区以外では、ヤマドリのメスの捕獲は禁止されている。
ヨシガモ
カモ目カモ科
分布
ヨシガモはユーラシア東部に広く分布するカモ科の水鳥で、繁殖地は**ロシア東部の森林地帯(シベリア東部)**を中心とする。
日本には冬鳥として渡来し、**全国の淡水域(湖沼、池、川、ダムなど)**に広く分布する。
特に本州・四国・九州で多く観察され、北海道では少数。
渡来時期は主に10月~翌年3月頃。
特徴
体長は約48〜54cmで、マガモよりやや小型。
オスの冬羽は非常に美しく、緑色の頭部・頬、銀灰色の体、黒の背中と独特な鎌状の飾り羽(三列風切羽)が特徴。
メスは全体的に褐色で地味な羽色。眼の後ろにわずかな淡色斑がある。
カルガモなどと異なり、足は水かきが発達しており、主に水面で生活する。
習性
冬鳥として日本に渡来し、越冬中は群れで生活。
湖沼やため池、水田地帯、河川中流域などの静かな淡水域を好む。
食性は雑食性。主に水草や藻類などの植物質を摂取するが、水生昆虫や甲殻類、小魚など動物質も食べる。
日中は水面で採餌し、夜間は水辺で休息する。
繁殖は日本国内では行わず、ロシアなどの北方地域で行われる。
ヒドリガモ
カモ目カモ科
分布
ヒドリガモはユーラシア大陸北部(スカンジナビア半島〜シベリア)で繁殖し、冬季になるとヨーロッパ・アフリカ北部・中東・アジアへ渡る長距離渡り鳥。
日本には冬鳥として渡来し、全国の湖沼、河川、水田、海岸の干潟などに広く分布。
渡来時期は通常10月頃〜翌年3月頃で、越冬地として特に本州以南の温暖地に多い。
特徴
全長は約45〜51cm。カモ類の中では中型で、体型はやや丸みがある。
オスの冬羽は淡紅色の体、白い翼帯、顔に明瞭な黄色の額線(ひたいの白線)が特徴。尾はやや尖る。
メスは全体的に褐色で、個体差が大きく、地味な体色。
群れで行動し、しばしば何百羽もの大規模な群れを形成する。
習性
日本では冬鳥で、越冬期に湖、ため池、水田、河川、河口干潟などに生息。
群れで行動し、日中は水上に浮かび、夜間に水辺や陸地で採餌する。
食性は主に植物食で、水草、陸草、稲などの葉、藻類などを好む。採餌法は水中の浅い場所での「逆立ち採餌」や、陸上での草食。
日本国内では繁殖はしない(北方の繁殖地へ春に渡去)。
マガモ
カモ目カモ科
分布
ユーラシア、北アメリカを中心に世界中の温帯~亜寒帯地域で広く分布するカモ類。
日本では全国に分布し、主に冬鳥として渡来するが、一部は留鳥化・定着して周年生息する。
湖沼、河川、湿地、水田、都市公園の池など、さまざまな淡水域に適応する。
特徴
全長は約50~65cm。カモ類の中では大型でがっしりとした体型。
オスは光沢のある緑色の頭部、黄色いくちばし、白い首輪、灰色の体、黒い尾部が特徴。
メスは全体的に褐色の斑模様で、地味な羽色。くちばしは黒っぽく、橙斑が混じる。
オス・メスともに翼には**光沢のある青紫色の翼鏡(次列風切羽)**がある。
習性
冬鳥として全国に渡来するが、都市部や本州中部以南では**定住する個体(留鳥)**も多い。
群れで生活し、水面に浮かんで休むか、浅瀬や岸辺で採餌する。
食性は雑食性:水草・種子・藻類・稲などの植物質に加え、水生昆虫・甲殻類・ミミズなどの動物質も摂取。
繁殖は北方の渡来地(ロシア・シベリアなど)で行われるが、都市部では公園や池での繁殖例もある。
採餌方法としては、水面をついばむ・逆立ち採餌(尻上げ)・陸上での歩行採餌がある。
カルガモ
カモ目カモ科
分布
日本、中国、朝鮮半島、ロシア東部など東アジアに分布するカモ類。
日本では全国に留鳥として周年生息しており、冬季には北方からの渡来個体も加わる。
都市公園の池、河川、水田、湖沼、湿地など、人里に近い環境にも適応力が高い。
特徴
全長は約50〜60cm。中型のカモで、マガモと類似のサイズ。
オス・メスの性差がほとんどなく、雌雄同色。
全体に褐色の斑模様で、顔には**黒い眼線(過眼線)**があり、くちばしの先端が黄色く縁取られる。
翼には光沢のある**緑がかった翼鏡(次列風切羽)**を持つ。
習性
留鳥として日本各地で繁殖し、都市部の池や水田でも普通に見られる。
一般的につがいまたは小規模な群れで行動するが、非繁殖期には群れを作ることもある。
食性は雑食性で、水草・稲などの植物質のほか、昆虫・貝類・甲殻類なども食べる。
**逆立ち採餌(尾を上げて水中をついばむ)**を頻繁に行う。
繁殖期は春(主に4〜7月)で、都市公園やビルの植え込みでも営巣することがある。
ヒナを連れて歩道や道路を移動する姿が話題になることも多い。
ハシビロガモ
カモ目カモ科
分布
北米・ヨーロッパ・アジアの北部で繁殖し、冬季に温暖な地域へ渡る渡り鳥(冬鳥)。
日本では冬鳥として全国に渡来し、特に本州以南の平地に多く見られる。
生息地は湖沼、湿地、河川、ため池、水田、干潟などの静かな淡水域。
特徴
全長は約48〜53cm。カモ類としては中型。
特徴的なのは、横に広がった大きく扁平な「しゃもじ状のくちばし」。他のカモと明確に識別できる。
オスの冬羽は:
頭部が緑黒色光沢、胸は白、体側と腹は赤褐色、背と尾羽は黒、くちばしは黒色。
メスは全体的に褐色の斑模様で地味な色調だが、同様に幅広いくちばしを持つ。
飛翔時には**青緑色の翼鏡(次列風切羽)**が確認できる。
習性
日本では**冬季(10月〜翌年3月頃)**に渡来し、群れで生活。
特に水の流れが緩やかで、浅くて水草の豊富な環境を好む。
食性は植物性が主体の雑食で、水中のプランクトン・藻類・種子・昆虫などを**くちばしで水ごとすくって濾し取る独特の採餌法(フィルター・フィーディング)**を行う。
逆立ち採餌も行うが、主に水面上を泳ぎながら濾過行動を繰り返す。
オナガガモ
カモ目カモ科
分布
ユーラシア大陸北部および北アメリカ北部で繁殖し、冬季には温暖な地域に渡る長距離渡り鳥。
日本には冬鳥として全国に渡来し、特に本州以南の湖沼・河川・湿地・水田に多く見られる。
渡来時期は10月頃から翌年3月頃までが中心。
特徴
全長はオスで約75 cm、メスで約53 cm。カモ類の中では細身でスマート、かつ尾が長く尖るのが最大の特徴。
オスの冬羽:
頭部はチョコレート褐色、首は白く、白が首の後ろまで伸びている。
背・脇は灰色で、長く尖った黒い尾羽が目立つ。
メスは全体に褐色の斑模様で地味。尾は短めだが、他のカモよりやや細身。
飛翔時には銀灰色の翼と白い腹部が目立つ。
習性
日本では冬季に渡来し、湖沼・河川・干潟・水田などに群れで生活。
休息時は水面に浮かび、採餌時は浅瀬や水田、干潟などで陸上採餌を行うことも多い。
食性は雑食性だが、主に植物質(イネ科植物の種子・水草・藻類など)を食べる。水生昆虫や甲殻類も摂取する。
採餌方法は水面での逆立ち採餌が中心。くちばしで水中をついばむ。
コガモ
カモ目カモ科
分布
ユーラシア大陸北部(シベリア・北欧など)で繁殖し、冬季に温暖な地域へ南下する渡り鳥。
日本には冬鳥として全国に渡来し、特に本州以南の湖沼・河川・湿地・ため池・水田などに多く見られる。
渡来時期は10月頃〜翌年3月頃。
特徴
全長は約35〜40cm。日本で見られるカモ類の中で最小種。
オスの冬羽:
頭部は赤褐色、目の後ろから首にかけて光沢のある緑色の帯が入る。
胸は淡色に黒点、脇は灰色で、体側に白い縦線が目立つ。
メスは褐色の斑模様で、体全体が地味。嘴は灰黒色。
オス・メスともに翼に**金緑色の翼鏡(次列風切羽)**を持つ。
体が小さく、飛翔は俊敏で速く、群れでの一斉飛翔が特徴的。
習性
冬鳥として群れで生活し、河川・水田・ため池・干潟などに多く生息。
群れは比較的大きく、数十~数百羽で行動することもある。
食性は雑食性だが、主に**植物質(種子・藻類・水草など)**を採食。水生昆虫・甲殻類も摂取する。
採餌方法は逆立ち採餌が中心で、水面の浅い場所を好む。
日本では繁殖しないが、まれに北海道や高地で繁殖記録がある(非常に稀)。
ホシハジロ
カモ目カモ科
分布
繁殖地はユーラシア大陸中西部〜ロシア西部の湖沼・湿地帯で、冬季に温暖な地域へ南下する冬鳥。
日本には冬鳥として全国に渡来し、本州・四国・九州の湖沼・池・河川・湾内に多く見られる。
渡来時期は10月頃〜翌年3月頃。
特徴
全長は約42〜49cm。カモ類としては中型で、スズガモ属に分類される潜水ガモ。
オスの冬羽:
頭部と首が赤褐色、胸と尾は黒、背中は灰色、脇は白。
目は赤く、くちばしは灰黒色。
メスは全体に淡褐色で、目立った斑模様はないが、顔から首の暗色がやや濃く見える。
体型はややずんぐりしており、嘴はやや太く短め。
習性
日本では冬鳥として群れで渡来し、湖沼・池・湾内など比較的深めの水域を好む。
**潜水採餌を行う「潜水ガモ」**で、水中にもぐって水草や貝類、小魚、水生昆虫を採取する。
食性は雑食性:水草の根・葉・種子、昆虫類、甲殻類、軟体動物などを採餌。
飛翔力は高く、群れで一斉に飛び立つことが多い。
日本では繁殖しない(極まれに迷入・観察例がある程度)。
キンクロハジロ
カモ目カモ科
分布
ユーラシア北部(シベリア・ヨーロッパ北部など)で繁殖し、冬季には南方へ渡る冬鳥。
日本には冬鳥として全国に渡来し、都市公園の池や湖沼、湾内、河口干潟などで広く見られる。
渡来時期は10月頃~翌年3月頃。
特徴
全長は約40~47cm。中型の潜水ガモで、ホシハジロと似るがより小柄。
オスの冬羽:
頭部と胸、背、尾が黒色、脇と腹は白色。
頭には**長い冠羽(後頭部の飾り羽)**があり、これが最大の識別点。
目は黄色、くちばしは灰青色で先端が黒。
メスは全体に暗褐色で、頭に短めの冠羽がある。脇はやや白っぽい個体もいる。
潜水前に水面で少し沈み込むような動作が見られる。
習性
日本では群れで越冬し、水辺で日中に休み、採餌は朝夕が活発。
潜水ガモとして、水中に10秒以上もぐって採餌。
食性は雑食性:主に貝類・甲殻類・昆虫などの動物質を中心に、水草や種子なども採食。
湖沼・池・湾内などやや深めの静かな水域を好む。
日本では繁殖せず、春に北方へ帰る。
スズガモ
カモ目カモ科
分布
ユーラシア大陸北部および北アメリカのツンドラ地帯で繁殖し、冬季に南下して越冬する長距離渡り鳥。
日本では冬鳥として全国に渡来し、特に東京湾、大阪湾、有明海などの沿岸部や湾内に多い。内陸の湖沼にも一部飛来する。
渡来時期は10月頃〜翌年3月頃。
特徴
全長は約42〜51cm。潜水ガモで、ホシハジロやキンクロハジロに似た中型サイズ。
オスの冬羽:
頭部・胸・背中が黒色、脇は白色〜灰白色、背中にうっすら白い斑模様(霜降り状)が入る。
目は黄色、くちばしは青灰色で先端が黒。
頭はやや扁平で丸みが少ない。
メスは全体的に暗褐色で、目の周りやくちばし基部に白斑が出ることが多い。
ホシハジロやキンクロハジロとの識別が難しいが、より海に近い環境に多いのがスズガモの特徴。
習性
潜水ガモであり、群れで潜水して採餌する行動がよく見られる。
大型の群れを形成し、数百〜数千羽規模になることもある。
食性は雑食性で、特に貝類・甲殻類・軟体動物などの動物質を好む。藻類や水草も食べる。
採餌は水深2〜3m程度の場所で潜水して行う。
日本では繁殖せず、春になると北方の繁殖地に渡去する。
クロガモ
カモ目カモ科
分布
ユーラシア大陸および北アメリカ北部のツンドラ地帯や寒冷な沿岸で繁殖する海ガモ類(潜水ガモ)。
日本には冬鳥として主に沿岸部に渡来し、特に北海道・東北・北陸・日本海側の外洋沿いでよく見られる。
内陸にはほとんど入らず、外洋性の海上生活を好む。
渡来時期は10月頃〜翌年3月頃。
特徴
全長は約45〜55cm。体型はがっしりとした中型の潜水ガモ。
オス:
全身が**光沢のある黒色(真っ黒)で、くちばしの基部に黄色〜橙色の膨らみ(瘤状突起)**がある。
目は暗色、首は太く、全体に重厚感がある印象。
メス:
全体的に黒褐色〜暗褐色で、顔に淡色の斑が出る個体もいる。くちばしは黒っぽく、突起は目立たない。
飛翔時には翼が細く速い羽ばたきを繰り返す。水面から飛び立つ際は助走が長い。
習性
クロガモは典型的な「海ガモ」であり、ほぼ常に外洋の水面で生活し、上陸することはほとんどない。
潜水して採餌を行う潜水ガモで、10m以上の水深にもぐることが可能。
食性は動物食が中心で、貝類・甲殻類・二枚貝・カニ・ウニ類などの底生動物を好む。
群れで行動し、数十〜数百羽規模の群れが海上に浮かぶ光景がよく見られる。
潜水時間は10秒以上で、海底から獲物をつかんで浮上する。
キジバト
ハト目ハト科
東アジア全域(日本、中国、ロシア極東、朝鮮半島など)に広く分布するハト科の留鳥。
日本では全国に分布し、森林・農地・住宅地・都市公園まで幅広く生息。
標高差に対する適応性も高く、平地から山地まで見られる。
特徴
全長は約33〜35cm。ドバト(カワラバト)よりやや小さめ。
体色は全体的に赤みを帯びた褐色で、翼には黒と赤褐色の鱗状模様が見られる。
頸部側面に**青白く輝く縞模様(縦じま状の斑)**があるのが特徴。
目は赤色で、くちばしは黒、足は赤紫色。
飛翔時は翼音が大きく「バサバサッ」と音を立てる。
習性
留鳥で年間を通じて同一地域に定着し、渡りは行わない。
単独またはつがいで行動するが、非繁殖期には数羽の小群を作ることもある。
**鳴き声は「デーデーポーポー」**などと表現され、一定のリズムでゆっくりと繰り返す。
食性は植物食中心の雑食で、草や木の種子、芽、果実などを主に採食。まれに昆虫も摂取する。
繁殖期は春から秋にかけて(年に2〜4回繁殖することも)、樹上や建物の隙間に簡素な枝の巣をつくる。
卵は通常2個で、親鳥は雌雄交代で抱卵し、約15日で孵化。雛は約2週間で巣立つ。
捕獲制限数
1日10羽まで
カワウ
カツオドリ目ウ科
分布
ユーラシア、アフリカ、オーストラリア、北アメリカなどの広範囲に分布する大型の水鳥。
日本では全国に周年生息する留鳥または漂鳥で、特に本州・四国・九州の河川・湖沼・海岸部に多数分布。
冬季は北日本から南へ移動する個体もいるが、基本的には通年見られる。
特徴
全長は約80〜90cm、翼開長は約130cmにも達する大型の水鳥。
全身は黒色で光沢があり、緑〜紫の光を帯びることもある。
繁殖期には顔に**白い斑(婚姻斑)**が現れ、太腿の基部に白い羽毛が出る。
くちばしは長く先が鉤状に曲がり、脚は後方に位置し、水かきが発達。
他の水鳥と異なり、羽に撥水性が低く、水中活動後は翼を広げて乾かす行動が有名。
習性
淡水域から汽水域・海岸部まで広く生息し、河川・湖・ダム・河口干潟などに営巣。
優れた潜水能力を持ち、水中を泳いで魚を追いかけて捕食する。
食性はほぼ完全な魚食性で、アユ・ウナギ・コイ・フナなど淡水魚を主に捕食。
繁殖は樹上または崖の上などに**集団繁殖地(コロニー)**を形成して営巣。
繁殖期は2月〜7月ごろで、1腹3〜5卵、雛は孵化後1か月程度で巣立つ。
日中は採餌と休息を繰り返し、夕方になるとねぐらに集まって群れで休む。
ヤマシギ
チドリ目シギ科
分布
ユーラシア大陸の広範囲(ヨーロッパ~ロシア極東)で繁殖し、一部は渡り、他は留鳥として定着。
日本では全国に分布し、主に本州・四国・九州で冬鳥として越冬。
北海道では夏鳥(繁殖)または旅鳥として渡来。
主に山間部の落葉広葉樹林や湿った林床に生息。
特徴
全長は約35〜38cmで、ハト程度の大きさ。
体型は丸みを帯び、頭部は大きく、くちばしは長くてまっすぐ(約6〜7cm)。
体色は全体的に赤褐色~褐色系の迷彩模様で、枯葉や森林床に溶け込む保護色。
頭頂部は横縞模様、目は頭部のやや後方・上部にあり、視野が非常に広い。
飛翔時は羽音が大きく、方向転換が鋭い。
習性
単独性が強く、林内の地上でひっそりと生活する。
昼間は落ち葉の中でじっとしているが、夜間や薄明時に採餌活動を行う。
食性は動物食が主体で、ミミズ・昆虫・クモ・小型節足動物などを長いくちばしで探って捕食。
長いくちばしには多数の神経が集中しており、地中の動きを感じ取れる。
繁殖期(国外)には、オスが夕暮れ時に「チュイ チュイ グルルル」と**ディスプレイ飛翔(ロッド)**を行う。
日本国内では北海道・東北の山林で少数が繁殖する例があるが、詳細は不明点も多い。
捕獲制限数
タシギと合計して1日5羽まで
タシギ
チドリ目シギ科
分布
ユーラシア・北アメリカ・アフリカ・東アジアに広く分布するシギ科の鳥。
日本では主に冬鳥または旅鳥として全国に渡来。
北海道では**夏鳥(繁殖)**としても見られる。
主な生息地は水田、湿地、休耕田、草地、干潟などの開けた湿潤地。
特徴
全長は約27〜30cm。スズメより大きく、ハトよりやや小さい。
くちばしは非常に長く(5〜7cm程度)、まっすぐで細い。
背や翼には茶褐色ベースに黒と黄褐色の縞模様があり、全体的に迷彩効果のある保護色。
頭頂部には**目立つ2本の黒縞(縦縞)**があり、ヤマシギ(横縞)との識別ポイント。
飛翔時には「チュイッ」という鋭い声とともに、ジグザグに飛び立つ独特の飛翔パターンがある。
習性
単独または小規模な群れで行動し、警戒心が非常に強い。
日中は湿地や草の間にじっとしており、近づくと突然飛び立つ。
食性は動物食中心の雑食で、くちばしで泥をつついてミミズ・昆虫・甲殻類・軟体動物などを捕食。
長いくちばしには神経が集中しており、泥中の動きを探知可能。
日本では北海道や高原地帯で繁殖する例がある(6〜7月に営巣、抱卵・育雛)。
捕獲制限数
ヤマシギと合計して1日5羽まで
ミヤマガラス
スズメ目カラス科
分布
ユーラシア大陸の広範囲(ヨーロッパ~アジア中部)で繁殖し、冬季に南方へ渡る渡り鳥。
日本では主に冬鳥として本州以南に渡来し、西日本(九州・四国・中国地方)での越冬数が特に多い。
北日本にはほとんど渡来しない。
生息地は農耕地、草地、川原、電線付近、都市周辺など開けた環境。
特徴
全長は約45〜50cmで、ハシボソガラスよりやや小さくスマートな印象。
全体は光沢のある黒色の羽毛で、日に当たると青紫色の金属光沢がある。
成鳥はくちばし基部の羽毛が脱落して皮膚が露出し、白っぽく見える(これが識別の最大ポイント)。
頭部は丸く、額がやや急傾斜で、くちばしは直線的で先細り。
幼鳥ではくちばし基部の脱羽は見られず、一見するとハシボソガラスに似る。
習性
冬鳥として大群で渡来し、群れで行動。数十〜数百羽、時に数千羽規模の群れを作る。
夜間は林や竹林などにねぐらを形成し、昼間は農地や市街地周辺で採餌。
食性は雑食性だが、主に**植物質(穀類・落ち穂・種子・木の実)**を好み、昆虫やミミズなどの小動物、廃棄物も食べる。
採餌中は地面を歩き回り、他種(ハシボソガラス・カラスバトなど)と混群することもある。
鳴き声は**「ガー」「ガァガァ」など、やや濁った短めの声**で、コクマルガラスとはしばしば混群。
ハシボソガラス
スズメ目カラス科
分布
ユーラシア大陸の温帯域に広く分布するカラスの一種で、日本では全国に通年生息する留鳥。
山地から平野、農村、都市部に至るまで、多様な環境に適応している。
ハシブトガラスよりも農村や郊外に多く、都市中心部ではやや少なめ。
特徴
全長は約47〜50cm。全身が光沢のある黒色で、紫や青みを帯びる金属光沢を持つ。
くちばしは細くてまっすぐ、先端も鋭く、名前の通り「細い」印象(ハシブトガラスとの識別ポイント)。
額の傾斜はなだらかで、頭部の輪郭が滑らか。
足とくちばしは比較的華奢で、全体にスマートで繊細な体型。
習性
群れまたはペアで行動し、特に非繁殖期は数十羽の群れを形成することもある。
鳴き声は**「ガァー ガァー」**とやや澄んだ音色で、ハシブトガラスよりも柔らかく、やや低め。
飛行は直線的で、羽ばたきが多く、ホバリングも可能。
食性は雑食性:昆虫、ミミズ、農作物、木の実、鳥の卵・雛、廃棄物などを幅広く採食。
地上を歩くのが得意で、歩きながら採餌する姿がよく見られる(ハシブトは跳ねる)。
樹上や電柱などに巣を作り、繁殖期は3月〜7月頃。1腹4~6卵、雌雄で抱卵・育雛を行う。
ハシブトガラス
スズメ目カラス科
分布
東アジア~東南アジアに広く分布する大型カラスで、日本では全国に通年生息する留鳥。
都市部・住宅街・公園・山地・海岸など非常に幅広い環境に適応。
標高の高い山地にも生息するが、近年は都市化への適応が顕著。
特徴
全長は約55〜59cmで、カラス類の中でも大型。
全身が光沢のある黒色で、光の角度により紫~緑色の金属光沢を帯びる。
くちばしが太く大きく、先端がやや湾曲しており、名称通り「太い嘴」が最大の識別点。
額はくちばしの付け根から急傾斜に盛り上がっている。
足も太くがっしりしており、全体に重厚な印象。
習性
高い知能と適応力を持ち、ペア・小群・大群で行動する。
雑食性で、動物の死骸、果実、穀類、昆虫、他の鳥の卵・雛、人間の出すゴミや残飯など幅広く採食。
鳴き声は**「カーカー」など、濁った大きな声**で、個体差や地域差もある。
地上では**跳ねるように移動(ホッピング)**することが多く、ハシボソガラスとの識別点。
都市部ではゴミ荒らし・交通事故対応・人の行動の観察など、高度な行動が観察されている。
繁殖期は主に3〜7月頃。樹上や人工構造物(電柱・鉄塔)に巣を作り、1腹3〜5卵。
ヒヨドリ
スズメ目ヒヨドリ科
分布
日本を中心に、台湾・朝鮮半島・中国東部など東アジアに分布。
日本では全国に通年生息する留鳥または漂鳥。
北海道では夏鳥、本州以南では留鳥もしくは部分的な渡りを行う。
山林から都市部、公園、農地、沿岸林など多様な環境に適応している。
特徴
全長は約27〜29cm。中型のスリムな体型の鳥。
体色は全体的に灰褐色~灰黒色で、羽縁はやや淡色。
頭部には**やや長めの冠羽(トサカ)**があり、逆立つことがある。
くちばしと脚は黒〜暗褐色、目の周りにやや赤みが差す個体もある。
鳴き声は**「ヒーヨ、ヒーヨ」「ピーヨピーヨ」など高く鋭い声**で、個体差・地域差が大きい。
習性
留鳥または漂鳥として一年中見られ、気温や餌資源に応じて標高移動・南北移動を行う群れもある。
単独またはペア・小群で行動し、冬季には数十羽の群れで集団移動することもある。
食性は雑食性だが、特に果実・花蜜・若芽など植物質を好む。
また、昆虫・クモなどの小動物も採食する。
果樹園(ミカン・ビワなど)や菜園への被害鳥として知られる。
繁殖期は3〜7月頃で、低木や建物の隙間などに巣を作る。
1腹3〜5卵、抱卵・育雛は両親で協力して行う。
ムクドリ
スズメ目ムクドリ科
分布
東アジアに広く分布し、日本・中国・朝鮮半島・ロシア極東などに生息。
日本では全国に通年生息する留鳥または漂鳥。
北海道や寒冷地では冬に暖地へ移動する個体も多い。
農地・公園・住宅街・都市部・林縁など幅広い環境に適応。
特徴
全長は約24〜25cm。スズメより一回り大きく、ハトよりやや小さい。
成鳥の体色は全体的に灰褐色〜黒褐色で、顔や喉は白っぽく、目の後ろに白斑がある。
くちばしと脚はオレンジ〜黄色。繁殖期にはオスのくちばしが特に鮮やかになる。
頭頂部には少し冠羽があり、興奮時などにわずかに立てる。
習性
昼間は単独または小群で採餌し、夕方になると大群でねぐらに集合する。
秋〜冬には**数千羽規模の大群を形成する「集団ねぐら」**が各地で観察される。
食性は雑食性で、昆虫・ミミズ・クモなどの動物質に加え、果実・種子・野菜くずなどの植物質も食べる。
特に夏場は畑の果物や野菜、秋には柿・ナシ・カキなどの果樹被害が多い。
地面を歩いて餌を探す行動が得意。
繁殖期は主に4〜7月で、樹洞・電柱・屋根裏・換気口などの隙間に営巣する。
1腹4〜6卵で、両親が協力して育雛する。
ニュウナイスズメ
スズメ目スズメ科
分布
東アジア(中国東部〜ロシア南部、日本、朝鮮半島)に分布。
日本では本州中部以北で夏鳥として渡来・繁殖し、西日本や九州では旅鳥または稀な越冬例あり。
山地の落葉広葉樹林、針広混交林、森林周辺の農地・公園などに生息。
特徴
全長約14cmで、スズメとほぼ同じ大きさ・体型。
オスは頭部が赤褐色、頬と腹は灰白色、背中に黒い縞模様があり、スズメよりも鮮やかな印象。
メスは全体的に褐色がかった地味な色合いで、スズメのメスに似るが頬に黒斑がない点が識別ポイント。
スズメと違い、頬に黒い斑点がないことが最大の外見的特徴。
くちばしは太く短く、典型的な穀食性小鳥の形状。
習性
主に夏鳥として渡来し、繁殖後は南方へ移動する。
繁殖期(5〜8月)にはペアで縄張りを形成し、木の穴やキツツキの古巣などに営巣する。
巣材には枯れ草・羽毛などを用い、1腹4〜6卵を産む。
雛の世話はオス・メスが協力して行う。
非繁殖期はスズメの群れと混群することがあり、水田や草地で採餌する姿が見られる。
食性は主に植物の種子・穀類だが、繁殖期には昆虫も捕食して育雛に利用する。
スズメ
スズメ目スズメ科
分布
日本全国に広く分布しており、北海道から沖縄まで確認されています。
また、ヨーロッパから東アジアまでユーラシア大陸を横断する広い分布域を持ち、アジアスズメ(Passer montanus)として世界的にもよく知られた種です。
日本国内では市街地、農村、山間部など多様な環境に生息。
留鳥として通年見られ、渡りを行わないのが一般的です。
特徴
全長:約14cm、体重:約20g前後。
茶褐色の頭部と頬の黒斑が特徴的。
背は褐色に黒い縞模様、腹部は淡灰色。
鳴き声は「チュンチュン」と軽やかで、社会性の強い鳥です。
習性
群れで生活する習性があり、非繁殖期には大規模な群れを形成します。
雑食性で、主に植物の種子や穀物、昆虫などを食べます。
繁殖期(春~夏)には樹洞や建物の隙間に営巣。
人の生活圏に強く適応しており、民家や神社、駅周辺などでもよく見られます。
タヌキ
ネコ目イヌ科
分布
日本全土(北海道・本州・四国・九州)**に分布する在来哺乳類です。国外では東アジア(中国、朝鮮半島)に自然分布し、ロシア~ヨーロッパには毛皮目的で移入された個体群も存在します。
日本では森林・里山・農村・都市部まで適応。
特に都市郊外や緑地帯でも確認されるなど、人間環境に強く適応しています。
特徴
成体の体長:約50〜65cm、体重:約3〜9kg。
尾が太く長く、黒い顔面の「マスク模様」が特徴。
足が短く、胴がやや長い体型で、アライグマやキツネと誤認されやすい。
冬には毛が非常に密生し、丸くなる姿が特徴的。
習性
夜行性:夕方〜夜間に活動し、日中は巣や物陰で休息。
雑食性:果実、昆虫、小動物、カエル、死肉、人間の生ごみまで食べる。
つがい(ペア)で行動する傾向が強く、繁殖期以外もペア生活を続ける例がある。
冬眠はしないが、冬季は活動が鈍化し巣にこもりがち。
狐に似て「ため糞場(決まった場所に糞をする習性)」を持つ。
キツネ
ネコ目イヌ科
分布
日本全国に分布するアカギツネ(Vulpes vulpes)の亜種で、以下のように地域で分類されます。
北海道:キタキツネ(V. v. schrencki)
本州・四国・九州:ホンドギツネ(V. v. japonica)
森林、農村、都市部の緑地まで幅広い環境に適応しています。
北海道ではエキノコックス症の媒介動物としても問題視されています。
特徴
体長:約60〜75cm(尾を除く)
尾長:約30〜40cm
体重:約5〜9kg
毛色:赤褐色〜灰褐色、腹部は白、尾の先は白くふさふさ
細長い鼻面、直立した耳が特徴
嗅覚・聴覚・視覚に優れたイヌ科の動物
習性
夜行性・薄明薄暮性:夕方や早朝によく活動
雑食性:ネズミ、鳥類、昆虫、果実、農作物、死肉などを食べる
単独行動が基本、春に巣穴で出産(1回4~6頭程度)
他動物の巣穴を流用することもある
ノイヌ
ネコ目イヌ科
分布
日本全国に分布していますが、以下のような傾向があります。
都市部や住宅地では減少傾向にある一方、山間部や農村部では根強く存在。
一部地域では野犬が群れ化し、農作物・家畜への被害や人身事故の報告もあります。
野犬の発生要因は、捨て犬や放し飼いの犬の繁殖によるものが大半です。
特徴
ノイヌは**イエイヌ(Canis lupus familiaris)**の野生化個体であり、特定の亜種や種ではなく、雑種化した個体群。
外見は個体差が大きく、毛色・体格ともに多様。
一般に野生環境に適応した個体は、小型〜中型で警戒心が強くなります。
狩猟動物と異なり、人への警戒心が非常に高いか、逆に攻撃性が強まることもあるため注意が必要。
習性
基本的に夜行性~薄明薄暮性で、人目を避けて活動。
群れで行動するケースがあり、特に繁殖期や採餌時に集団化することがある。
雑食性で、生ゴミ、動物の死骸、小動物、農作物などを食べます。
繁殖能力が高く、放置すると急速に個体数が増加します。
放浪域が広く、行動が予測しづらいため管理が難しい傾向があります。
ノネコ
ネコ目ネコ科
分布
日本全国に広く分布しており、特に都市部・農村部・離島に多く見られます。
市街地では野良猫として人為的給餌に依存する個体が多く、山林・農地では完全な野生化個体(ノネコ)も存在。
奄美大島・徳之島などでは、希少固有種(アマミノクロウサギ等)への影響が深刻であり、環境省が駆除や保護区立入制限を行っている地域もあります。
特徴
イエネコ(Felis catus)が野生化した個体群で、分類上は同一種です。
外見的には家庭猫とほぼ変わらず、体重2.5〜5kg前後、毛色・体型に個体差が大きい。
野生環境に適応した個体は、痩せて筋肉質・耳欠けや傷が多く、警戒心が非常に強い。
習性
完全な肉食性:ネズミ、小鳥、トカゲ、昆虫などを捕食。
単独行動が基本で、縄張り意識が強い。
年間に複数回出産可能で、1回に3〜6頭を産む高繁殖力を持つ。
夜行性・薄明性で、人目を避けて行動。
野生化が進んだ個体は人間の接近を極度に嫌い、カメラトラップでの確認が主になる。
テン
ネコ目イタチ科
分布
日本では本州・四国・九州に広く分布(亜種:ニホンテン)。
北海道には在来種としては分布せず、外来由来のエゾクロテンの記録あり。
山地の落葉広葉樹林や針葉樹林などの森林に生息。
人里近くの雑木林などにも現れることがある。
特徴
体長:約40〜55cm、尾長:約17〜23cm、体重:約1〜1.5kg。
黄褐色~橙色の体毛で、喉元から胸にかけて白い斑がある。
細身でしなやかな体つき。木登りや跳躍に優れる。
冬でも活動するため、冬毛は厚く、保温性が高い。
習性
夜行性で、昼間は樹洞・岩の隙間などで休息。
基本的に単独行動で、縄張りを持つ。
雑食性:ネズミ、小鳥、昆虫、果実、カエル、魚などを食べる。
季節により食性が変わり、夏は果実、冬は動物食が中心。
樹上と地上を自在に移動し、高い運動能力を持つ。
冬眠はしない。
ミンク
ネコ目イタチ科
分布
原産地は北アメリカ(アメリカ・カナダなど)。
日本には毛皮用として輸入・飼育された個体が逸出・野生化したものが分布。
現在、本州(特に中部〜東北地方)や北海道の一部地域で定着が確認されている。
河川沿い、湖沼、湿地帯などの水辺環境を好む。
特徴
体長:約30〜45cm、尾長:約15〜20cm、体重:約0.5〜1.5kg。
全身は黒褐色〜濃茶色の毛で覆われ、喉元に白斑がある個体が多い。
四肢が短く、体は細長い。水かきがあり泳ぎが得意。
鼻先が丸く、イタチよりやや大柄。
習性
夜行性・薄明性で、夕方から早朝にかけて活動。
単独性が強く、縄張りを持つ。
優れた遊泳能力と潜水能力をもち、水辺での狩りに適応。
食性は肉食性寄りの雑食で、魚類・カエル・鳥類・小型哺乳類・甲殻類などを捕食。
地元の水鳥や希少な両生類への捕食被害が問題になっている。
巣は水辺近くの土手、岩陰、倒木の下などに作る。
アナグマ
ネコ目イタチ科
分布
日本固有種であり、本州・四国・九州に広く分布。
北海道には分布していない(ヨーロッパアナグマとは別種)。
里山、雑木林、耕作地周辺、低山地などの**森林と農地の中間地帯(エッジ)**を好む。
一部では都市周辺の緑地や墓地でも確認されている。
特徴
体長:約40〜60cm、尾長:約10〜20cm、体重:約5〜14kg。
がっしりした体格で、四肢は短く、爪が発達している。
背は灰褐色、腹は黒褐色、顔に黒と白の縞模様があるのが特徴。
同じイタチ科であるテンやハクビシンと混同されることがあるが、体形や掘削能力が異なる。
習性
夜行性で単独生活が基本。ただし親子やペアで行動することもある。
食性は雑食性。ミミズ、昆虫、小動物、果実、農作物(特にサツマイモやトウモロコシ)などを食べる。
掘る能力に非常に長けており、巣穴(アナ)を自掘りし長年使用する。
穴の中に複数の部屋(寝床・トイレ)を持つこともある。
冬眠は完全ではないが、寒冷期には活動を大きく減らす(「冬ごもり」傾向)。
糞は定位置にする「ため糞」習性あり。
イタチ
ネコ目イタチ科
分布
日本では、本州・四国・九州を中心に**在来種の「ニホンイタチ」**が分布。
北海道には本来分布していなかったが、外来種「シベリアイタチ(チョウセンイタチ/Mustela sibirica)」が定着している。
河川沿い、農村地帯、山林、市街地の緑地など、水辺を含むさまざまな環境に生息。
特徴
体長:約25〜35cm、尾長:約10〜15cm、体重:約200〜350g(メスはさらに小型)。
体は細長く、四肢は短く、頭部は小さく尖っている。
毛色は夏は赤褐色、冬は淡褐色。顎や喉に白斑がある個体が多い。
オスのほうがメスよりも明確に大型で、性差が顕著。
習性
夜行性・薄明性。特に夜間によく活動する。
単独性が強く、縄張りを持ち、同種間で激しい争いをすることもある。
肉食性中心の雑食性で、ネズミ、モグラ、小鳥、卵、カエル、昆虫などを捕食。人家周辺では鶏小屋などに侵入することも。
非常にすばしこく、細い隙間から侵入できる柔軟な体をもつ。
穴や石垣、木の根元、建物の床下などに巣を作る。
一部では悪臭(肛門腺分泌物)による被害が報告されている。
捕獲制限数
イタチのメスは非狩猟獣。また、長崎県対馬のシベリアイタチは在来種であり、国内希少野生動物に指定されているため捕獲は禁止。
アライグマ
ネコ目アライグマ科
分布
原産地は北アメリカ(アメリカ、カナダなど)。
日本には1970年代にペット目的で輸入された個体が野生化。
現在は北海道・本州・四国・九州の広範囲で定着が確認されている。
河川沿いや森林、農地、市街地の緑地など多様な環境に適応し、特に人間の生活圏に接近しやすい
特徴
体長:約40〜60cm、尾長:約20〜40cm、体重:約4〜10kg。
胴長短足で、尾に黒い縞模様が数本あるのが特徴。
目の周りに黒いマスク模様がある。
手先が器用で、ものをつかむ・開ける・洗うような動作をする。
毛は灰褐色〜黄褐色でふさふさしており、見た目は可愛らしいが野生個体は非常に凶暴。
習性
夜行性で、夜間に活発に活動。
単独性が強いが、繁殖期や食物が豊富な場所では複数で集まることもある。
雑食性で、果実、トウモロコシ、魚、昆虫、卵、小動物、人家の生ゴミまで幅広く食べる。
木登りや泳ぎも得意で、行動範囲が広い。
家屋や神社の屋根裏、倉庫に侵入し、糞尿・騒音・破損などの被害をもたらすことがある。
非常に高い繁殖力を持ち、年1回、3〜6頭を出産。都市部でも繁殖可能。
ヒグマ
ネコ目クマ科
分布
日本では北海道のみに分布する固有亜種(エゾヒグマ Ursus arctos yesoensis)。
本州以南には生息しておらず、ツキノワグマと混同されることがある。
分布は北海道全域に広がり、山岳地帯・森林地帯から平野部や市街地近くにも出没することがある。
近年は人里や農地への出没が増加しており、人身被害も発生している。
特徴
成獣の体長:約180〜230cm、体重はオスで約200〜400kg、メスで100〜250kgほど。
体毛は濃い褐色〜黒褐色で、個体により濃淡差あり。
ツキノワグマと異なり、胸に白い模様(「月の輪」)がない。
四肢・肩・首の筋肉が非常に発達しており、突進力・腕力に優れる。
聴覚・嗅覚に優れ、視力はやや弱いとされる。
習性
基本的には単独行動で昼行性だが、人間を避けるため夜間にも活動することがある。
雑食性:主に植物(木の実・山菜・根・果実など)、昆虫、魚、小動物、シカや家畜の死骸なども食べる。
秋には越冬のために大量に採食し、体重を大きく増やす(※ドングリ・ブナの実など)。
冬眠を行い、穴や斜面の下に巣を作って越冬。11月〜翌年4月頃が一般的な冬眠期。
母グマは冬眠中に1〜2頭の子グマを出産する。
ツキノワグマ
ネコ目クマ科
分布
日本では、本州・四国に分布する在来亜種(ニホンツキノワグマ)。
北海道には生息せず、九州では絶滅したとされる(1990年代以降、確実な目撃例なし)。
里山から標高2,000m級の山岳地帯まで幅広く分布し、特に落葉広葉樹林を好む。
地域によっては人里や農地周辺まで出没することがある。
特徴
成獣の体長:約110〜140cm、体重:オスで約60〜120kg、メスで40〜80kg。
体毛は黒く、**胸に白い三日月型の斑紋(“月の輪”)**があるのが最大の特徴。
ヒグマに比べて体は小型で、耳が大きく立っている。
木登りが得意で、若木や実のなる木によく登る。
習性
基本は昼行性または薄明薄暮性だが、地域や季節により夜間にも活動する。
単独性が強く、親子を除いて群れは形成しない。
食性は雑食性で、春は山菜・草本、夏は昆虫や果実、秋は堅果(ドングリ・ブナ)を主に食べる。
秋の採食期には1日10,000kcal以上を摂取して冬眠に備える。
冬眠を行い、11月〜4月頃は穴(岩の隙間・倒木下など)で越冬。
メスは冬眠中に出産し、春に子グマとともに出穴する。
捕獲制限数
三重県、奈良県、和歌山県、島根県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県では捕獲禁止
ハクビシン
ネコ目ジャコウネコ科
分布
原産は東南アジア(中国・インドシナ半島など)で、日本における定着起源は明確ではない(移入種とされるが、江戸時代以前からの在来説もある)。
日本では本州・四国・九州・伊豆諸島などに分布。北海道には自然分布していない。
農村部・森林・都市周辺など幅広い環境に適応し、都市部の屋根裏にも侵入するなど、人間の生活圏に入り込んでいる。
特徴
体長:約50〜65cm、尾長:約40〜50cm、体重:約3〜5kg。
細長い体と顔つき、頭頂から鼻にかけて白い線(白鼻筋)があるのが最大の特徴。
尾は長くて太く、胴体と同じくらいの長さがある。
毛色は灰褐色~黒褐色で、やや光沢がある。
木登りが非常に得意。
習性
夜行性で、日中は樹洞・屋根裏・床下・廃屋などで休む。
単独または親子で行動し、縄張り意識はやや弱い。
雑食性で、果実・野菜・昆虫・鳥卵・小動物・人家の残飯などを食べる。
民家の屋根裏に巣を作り、糞尿・騒音・ダニ発生などの被害をもたらす。
フンを同じ場所にする「ため糞」習性がある。
年1〜2回出産し、1度に2〜4頭の子を産む。
イノシシ
ウシ目イノシシ科
分布
日本では本州・四国・九州に広く分布する在来亜種(ニホンイノシシ)。
北海道には野生分布しておらず、沖縄では過去に導入された例があるが定着していない。
近年では温暖化や里山の環境変化により、北限が青森県南部まで拡大。
山林・里山・農地周辺など、人里近くの環境にも適応し、都市近郊への出没も増加傾向。
特徴
成獣の体長:約100〜160cm、体重:オスで80〜150kg、メスで50〜100kg程度。
頑丈な体格と太く短い脚をもち、全身は黒褐色の剛毛に覆われる。
幼獣(ウリ坊)は、**体に縞模様(ウリ柄)**があり、生後半年程度で消失する。
成獣になると鼻先が硬く強靭で、地面を掘る「鼻ぐり」行動に適応。
オスには立派な牙(犬歯)が外側に伸びるが、メスは小さめ。
習性
夜行性・薄明性で、特に夕方から夜間に活発に行動。
群れ(母子群)または単独(主に成獣オス)で生活。
雑食性:ドングリ、イモ類、タケノコ、果実、昆虫、小動物、ミミズ、農作物など多様なものを食べる。
冬眠はしないが、寒冷地では活動が鈍化。
嗅覚に優れ、鼻で地面を掘り返しながら採食する。
池・沼・水田などでぬた場(泥浴び場)を作る習性がある。
繁殖期は11〜1月頃で、春(4〜6月)に3〜6頭の子を出産。
ニホンジカ
ウシ目シカ科
分布
日本に広く分布する在来種のシカで、本州・四国・九州に加え、一部離島にも生息。
北海道には本来自然分布しておらず、現在の北海道のシカ(エゾシカ)は別亜種。
本州ではかつて個体数が激減したが、現在は個体数が急増し、農林業被害や生態系への影響が問題となっている。
里山から高山帯まで、さまざまな環境に適応。
特徴
体長:オスで160〜180cm、メスで130〜150cm前後、体重:オスで70〜130kg、メスで40〜80kg。
毛色は季節で変化し、夏は赤褐色に白い斑点(夏毛)、冬は灰褐色(冬毛)。
オスには**毎年生え変わる角(枝角)**があり、秋の繁殖期前に立派に伸びる。
メスには角はない。
蹄は割れており、柔らかい地面や傾斜地でもよく踏ん張れる。
習性
薄明・夜行性で、早朝・夕方〜夜に活発になる。
群れで生活するが、オスは単独行動することも多い(繁殖期以外)。
食性は草食性で、木の葉・草本・樹皮・農作物(サツマイモ・稲・キャベツなど)を食べる。
繁殖期(発情期)は9〜11月ごろで、オスは「ラッティング・コール(甲高い鳴き声)」を発し、角突きでメスを巡って争う。
メスは翌年5〜6月頃に1頭(まれに双子)を出産し、しばらくは子ジカを物陰に隠して育てる。
減少傾向にあった天敵(ニホンオオカミなど)が絶滅したため、近代以降は人間以外の捕食者がいない。
タイワンリス
ネズミ目リス科
分布
原産地は台湾。
日本には昭和初期にペット目的で輸入された個体が逃げ出して定着した外来種。
現在は神奈川県(鎌倉市・横浜市など)・静岡県・千葉県・東京都の一部に定着。
環境省の外来生物法に基づき、「特定外来生物」に指定されている。
主に住宅地周辺の公園・神社林・竹林・果樹園などに生息。
特徴
体長:約20〜25cm、尾長:約20〜25cm、体重:約250〜400g。
全身は灰褐色で、尾が太くふさふさしており、木登りに適した爪を持つ。
日本在来のニホンリス(赤褐色)よりやや大きく、耳に房毛がない点が識別のポイント。
視覚・嗅覚が発達し、俊敏に木から木へと移動する。
習性
昼行性で、特に朝と夕方に活発に行動。
単独または家族単位で行動するが、高密度になると群れることもある。
雑食性で、木の実(クルミ・ドングリ)、果実、花芽、若葉、昆虫、樹皮などを食べる。
皮むき(樹皮剥離)行動が顕著で、森林や庭木への被害が深刻。
高木の枝や樹洞に巣(球状)を作り、1年に1〜2回、2〜4頭の子を産む。
敵が少ないため、都市部でも急速に個体数を増やす傾向がある。
シマリス
ネズミ目リス科
分布
原産地はロシア・中国・モンゴル・朝鮮半島などのユーラシア大陸北部。
日本では北海道にのみ自然分布(在来の野生個体群あり)。本州以南にはもともと生息していない。
本州以南では、ペット由来の個体が逃げ出し、ごく一部地域で野生化している。
北海道では、主に平地から山地の森林・林縁部・公園などに生息。
特徴
体長:約13〜15cm、尾長:約10〜12cm、体重:約80〜120g。
背中に**5本の黒い縞模様(白黒のストライプ)**が通っており、「シマリス」の名前の由来。
毛色は赤褐色~灰褐色。尾はふさふさしていて平たい。
視覚・聴覚・嗅覚に優れ、すばしこく動く。
習性
昼行性で、朝と夕方に活動が活発になる。
単独生活が基本で、縄張りを持つ。
雑食性で、ドングリ・クルミ・種子・果実・昆虫・キノコなどを食べる。
頬袋を使って食物を運び、冬眠に備えて巣穴に貯蔵する。
冬は気温が下がると冬眠に入り、春(4月頃)に再び活動を始める。
5〜6月に繁殖し、1回に4〜6頭の子を産む。
ヌートリア
ネズミ目ヌートリア科
分布
原産地は南アメリカ(アルゼンチン・ブラジルなど)。
日本には戦前〜戦後にかけて毛皮用に輸入・飼育された個体が逸出・野生化。
現在は主に本州西部(岡山・広島・兵庫・滋賀・奈良・愛知など)や四国・九州の一部で定着。
河川・水路・湖沼・水田周辺など、水辺環境に強く依存する。
特徴
体長:約50〜65cm、尾長:約30〜45cm、体重:約5〜9kg。
外見は大型のネズミのようで、水かきのある後肢と丸くて長い尾が特徴。
毛色は赤褐色〜灰褐色で、オレンジ色の大きな門歯をもつ。
ビーバーやカピバラと似ているが、尾が扁平でなく丸い点で識別可能。
習性
夜行性〜薄明性で、夕方から明け方にかけて活動。
水辺に巣穴を掘って生活する。水中に逃げ込む能力が高く、長時間の潜水も可能。
草食性で、ヨシ・ススキ・水草・農作物(稲・サツマイモ・キャベツなど)を食べる。
特に**稲作地帯での食害・水路の堤防崩壊(巣穴掘削)**などが問題化している。
繁殖力が高く、年に2〜3回、1回あたり5〜6頭を出産する。
ノウサギ
ウサギ目ウサギ科
分布
日本固有種で、本州・四国・九州に広く分布(北海道には自然分布しない)。
標高0〜2500m程度の山地・里山・雑木林・原野・草地・農地周辺などに生息。
近年は市街地周辺やゴルフ場・高速道路法面などにも進出している。
地域により、体格・毛色・冬毛化の程度などに差がある(地域亜種あり)。
特徴
体長:約45〜55cm、体重:約1.5〜3kg。
全身は灰褐色〜茶褐色の毛で覆われるが、寒冷地では冬に白っぽい冬毛になる個体もいる。
尾は短く、耳は長くて黒い先端をもつ。
ウサギ科特有の長い後肢によって跳ねるように移動する。
習性
薄明性・夜行性で、夕方〜明け方にかけて最も活発に行動。
昼間は藪・草地・くぼみに身をひそめ、巣穴を掘らず、地表で休む(ラグと呼ばれる休息地)。
単独で生活し、繁殖期以外に群れを作らない。
完全な草食性で、草本・樹皮・新芽・農作物などを食べる。
年に2〜4回繁殖し、1回に1〜4頭の子を出産。生まれてすぐに目が開いており、体毛もある(巣に残らず即座に活動可能)。
許可があれば捕獲できるものもある
有害鳥獣の捕獲や学術研究のため、または個体数の調整および愛がん飼養など、許可があればすべての鳥獣を捕獲できます。捕獲の前に法第9条に基づいた捕獲許可申請が必要ですが、狩猟のような免許取得は必要ありません。
ただし、通達によって有害鳥獣を捕獲する際は、原則として狩猟免許のある人が行わなければいけません。捕獲する地域や期間は、許可された範囲、時期であればいつでも可能です。
また、許可による捕獲の場合、毒薬以外の方法で捕獲する必要があります。
鳥獣を狩猟できる期間

鳥獣の狩猟が許可されている期間は、各都道府県によって異なりますが、一般的に11月15日頃から翌年の2月15日頃までです。また、ヤマドリのメスとキジのメスは、全国で令和4年9月15日から令和9年9月14日まで捕獲が禁止されているので注意しましょう。
狩猟する地域で、あらかじめ狩猟期間を確認してください。
狩猟が禁止もしくは制限されている区域について

鳥獣保護管理法に基づいて、狩猟が禁止もしくは制限されている区域は以下の通りです。
| 区域の名称 | 設定者 | 狩猟制限の内容など |
|---|---|---|
| 指定猟法禁止区域 | 環境大臣又は 都道府県知事 |
鳥獣の保護のため、鉛銃弾等の指定猟法が禁止。 |
| 鳥獣保護区 | 環境大臣又は 都道府県知事 |
鳥獣の保護のため、狩猟が禁止。また、特別保護地区では、一定の行為が禁止。 |
| 休猟区 | 都道府県知事 | 減少している狩猟鳥獣の増加を図るため、一定期間の狩猟が禁止 |
| 特定猟具使用禁止・制限区域 | 都道府県知事 | 狩猟に伴う特定猟具による危険予防のため、特定猟具による狩猟を禁止又は制限する。 |
| 猟区又は放鳥獣猟区 | 管理された狩猟を行うため、設定された区域内で入猟者数制限等を行う。 | |
※都道府県によってはこれらの区域以外にも捕獲が禁止されている区域があります。狩猟をする際には事前に管轄都道府県に確認しましょう。
狩猟の制限について

鳥獣の捕獲を行う際には、危険の予防や鳥獣の保護のために猟法に一定の制限をかける必要があります。
危険猟法
人間の身体または生命に対する危害を防止するために、危険な猟法として爆発物、劇薬、毒薬を使用する猟法、据銃、陥穽その他人の生命又は身体に重大な危害を及ぼすおそれがあるわななどの猟法は禁止されています。銃猟の制限
銃猟に伴う人の身体や生命に対する危険の予防のため、以下は禁止されています。- 日出前または日没後の銃猟
- 住居が集合している地域や広場、駅など多くの人が集まる場所での銃猟
- 弾丸の到達するおそれのある人、飼養または保管されている動物、建物もしくは電車、自動車、船舶その他の乗物に向かって銃猟すること
禁止猟法
鳥獣の保護を図るため、鳥獣の保護に支障を及ぼすおそれのある次の猟法は禁止されています。- ユキウサギ及びノウサギ以外の対象狩猟鳥獣の捕獲等をするためにはり網を使用すること(人が操作してはり網を動かす方法は除く。)
- 口径の長さが10番以上の銃器を使用する
- 飛行中の飛行機または運行中の自動車、5ノット以上の速力で航行中のモーターボートの上から銃器を使用する
- 3発以上の実包を充てんできる弾倉のある散弾銃を使用する
- 装薬銃であるライフル銃を使用する(ヒグマ、ツキノワグマ、イノシシ及びニホンジカにおいては、口径の長さが5.9mm以下のライフル銃)
- 空気散弾銃を使用する
- 同時に31個以上のわなを使用する
- 鳥類並びにヒグマ及びツキノワグマの捕獲のため、わなを使用する
- イノシシ及びニホンジカの捕獲等をするため、くくりわな(輪の直径が12cmを超えるもの、締付け防止金具が装着されていないもの、よりもどしが装着されていないもの又はワイヤーの直径が4mm未満であるものに限る。)、おし又はとらばさみを使用する
- ヒグマ、ツキノワグマ、イノシシ及びニホンジカ以外の獣類の捕獲等をするため、くくりわな(輪の直径が12cmを超えるもの又は締付け防止金具が装着されていないものに限る。)、おし又はとらばさみを使用する
- つりばり又はとりもちを使用する
- 矢を使用する
- 犬に咬みつかせることのみで捕獲等をする方法または、犬に咬みつかせて狩猟鳥獣の動きを止めるか鈍らせて法定猟法以外で捕獲等をする
- キジ笛を使用する
- ヤマドリおよびキジの捕獲等をするため、テープレコーダーなどの電気音響機器を使用する
鳥獣の狩猟はルールを守って

日本で狩猟できる鳥獣は、46種類と定められています。46種類以外にも都道府県で個別に狩猟を禁じている鳥獣もあります。
また、狩猟によってこれらの鳥獣を捕獲する際には、猟法に応じた免許が必要です。狩猟可能な期間も狩猟する都道府県によって定められているため、あらかじめ確認しましょう。狩猟の適正化や鳥獣を保護するための鳥獣保護管理法に則って、狩猟を楽しんでください。
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