鹿は可愛らしい動物として知られていますが、実は食害による被害が絶えず、多くの方を悩ませています。動物と人間を住み分けるには、しっかりと対策を行うことが大切です。
そこで今回は「鹿の食害から畑を守る方法」を紹介します。注意点についても解説しているので、鹿被害に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
鹿の特徴

誰でも1度は鹿を見たことがあるのではないでしょうか。体長は約110~170cm、体重は40~110kgほどで、鹿は大型の動物に該当します。1度の出産では1頭の子供を生みます。角のある鹿はオスと見分けが簡単につくので覚えておきましょう。
鹿は草食で地域によって好むエサは異なりますが、主に下草や稲、苗木や樹木の枝葉、樹皮を好んでよく食べます。繁殖力が高い動物ですので、個体数は4年で約2倍にも増加すると言われています。
鹿は一夫多妻の性質をもっているので、オスの個体数が減少しても全体の数の減少が見込めません。また、俊敏性や跳躍力に優れているので、捕獲も非常に困難な場合があります。
全国でも多い鹿による食害

鹿は北海道から九州まで幅広い土地に生息している動物です。畑の食害も軽視できない問題で、農作物を荒らし、人間を困らせているケースも多く見られます。
環境省のデータによると、令和5年の鹿による農作物の被害量が420.3トンにおよび、被害金額は69億5400万円になります。(1)
さらに畑の被害だけでは留まりません。森林の植物も多く鹿の被害を受けています。野生鳥獣による森林被害の割合は鹿が最も多く、枝葉の食害や剥皮被害が深刻な問題になっています。
森林の未来を脅かす存在ともなっており、自然を守るためにもしっかりと鹿対策を行うことが重要なポイントです。
ハンターの高齢化や温暖化により増える鹿

鹿被害が深刻化したのは、個体数の増加にあります。以前はシカ肉を利用したり毛皮を使ったりしていましたが、鹿の捕獲数が減ったため個体数はどんどんと増えていきました。
鹿の捕獲数が減ったのはハンターの高齢化も問題として挙げられます。捕獲できる人間が少ないと必然と鹿の捕獲数も少なくなるので、全体の数は増えていく一方です。
また、近年では積雪も減り、鹿が生息できる範囲が広がったのも個体数が増えた要因として考えられます。さらに放置された農地が増え、鹿のエサが増えたことも個体数の増加の要因となっています。
鹿の被害を減らすためにできること
先ほども紹介しましたが、鹿が生息できる範囲が広がって個体数が増えたということがあるため、農地だけでなく農地周辺に落下した柿や栗などの果実を取り除いたり、農作物を収穫する際に出る外葉などもその場から取り除くことが大切です。
もし整備していない土地などに果樹の木などがある場合は伐採などの対応をすることも重要です。他にも刈り取った水稲の株からできる「ひこばえ」や周辺に生える雑草などもエサになります。
鹿のエサになる可能性があるものは全て取り除くように心がけることで、鹿被害を減らす対策に繋がります。
人間と鹿の住み分けが課題!畑の鹿よけ対策方法

鹿は繁殖力の高い動物ですので、ただ単に捕獲するだけでは食害の問題は解決しません。きちんと人間と鹿の住み分けを行い、それぞれの居住地を守ることが大切です。
特に畑の食害は軽視できない問題ですので、以下の対策を講じてしっかりと鹿対策を行っていきましょう。
音や光で威嚇する
音や光で鹿を威嚇し、その場から追い払う方法があります。都度人間が来る鹿に対して音や光を浴びせるのは大変ですので、センサーが付いたアイテムを活用しましょう。
オオカミの鳴き声や銃声を録音した機械を設置したり、LEDライトで威嚇したりしながら鹿をその場から追い払う方法です。しかし、鹿によっては音や光に慣れてしまう可能性があるので、長期的な使用には留意が必要です。
他の対策方法と併用しながら活用することをおすすめします。
電気柵を設ける
畑の周囲に電気柵を設けるのも1つの方法です。鹿をはじめとする野生動物が触れると電気が流れる仕組みになっており、電気柵の刺激に驚いて鹿がその場を離れます。
鹿が痛みを学習すると、その場に近づくのを辞める個体もいるでしょう。電気柵は鹿よけ対策として有効な手段ですので、ぜひ試してみてください。
侵入防護柵を設ける
侵入防護柵を設けることも大切です。鹿が容易に飛び越えられない高さの侵入防護柵を設け、畑に入れないように保護する対策方法です。
鹿は跳躍力があるので、侵入防護柵の高さは1.5~2mほどの高さが必要でしょう。また、鹿の体重によりかかるだけで倒れる侵入防護柵では意味がありません。しっかりと体重にも負けない侵入防護柵を設置してください。
罠を仕掛ける
畑の周囲に罠を仕掛けて鹿を捕獲する方法もあります。ただし、罠を仕掛けるには猟銃免許が必要です。
罠には、くくり罠や箱罠などがあります。くくり罠はバネやワイヤーなどを組み合わせたもので、鹿が通る道や足がつくところに設置し、踏み板を踏むとワイヤーが締まって足をくくり付ける仕組みです。
箱罠は名前の通り、箱型の罠でエサで引き付けて捕獲するものです。鹿も賢い動物なので、くくり罠や箱罠で捕獲するのはそう簡単ではありません。いろんな対策を実施することをおすすめします。
鹿対策をする際の注意点

電気柵を設ける場合は、鹿が通り抜けられる隙間がないかきちんと確認しましょう。安全に侵入できる箇所があれば、鹿も学習してそこから畑へエサを食べにやってきます。電気柵を設置する場合は、鹿が侵入できないように隙間を埋めるように工夫をしてください。
侵入防護柵を設置する場合は定期点検が欠かせません。ネットが緩んで鹿が飛び越えられそうな場所がないか、定期的に確認しましょう。
また、ネットの目が粗いと鹿が顔や角で穴を広げ、侵入防護柵を突破することがあります。侵入防護柵を設置する場合は、なるべく網目が細かいネットを選んでください。
鹿よけ対策にかかる費用は行政から補助金がもらえる場合も

鹿をはじめとする鳥獣被害対策は、行政から補助金がもらえる場合があります。自治体によって補助金制度の有無や内容が異なるので、お住まいの地域の自治体に確認してみましょう。
電気柵や侵入防護柵の設置は決して安いものではありません。利用できる制度があれば補助金も活用しながら鹿対策を行ってみてはいかがでしょうか。
鹿による被害を防ぐために人間が行動しよう

全国でも鹿による被害は増えており、食害に頭を悩ませている方も多くなっています。ハンターの高齢化によって鹿の個体数はどんどん増えてきているので、人間がしっかりと住み分けを行い、お互いの居住地を守ることが重要となります。
畑の被害に悩んでいる方は、電気柵を設けたり侵入防護柵を設置したりしながら対策を行ってください。鹿対策にかかる費用が懸念される方は、行政へ相談してみましょう。
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