イノシシ・シカ被害を減らすために
試行錯誤の日々
- イノホイ会員さま
-
村田 正則さん
(イノホイ歴:6年)
当社では鳥獣被害対策用品を販売しておりますが、狩猟に関する情報が集めにくいという声も多く寄せられております。
そこで私たちは、実際のお客様のリアルな声を発信することで、初心者から上級者まで、狩猟に関わるすべての人に、なにかの気づきや安心感を提供したいと考えました。
今回取材させていただいたのは、大分県別府市にお住まいの村田 正則(むらた まさのり)さんです。イノホイ歴は6年。
狩猟に対する思いや今抱えている課題などを中心にお話を伺いました。

箱罠やくくり罠、いろいろと試行錯誤しています

自宅の作業場
村田さんと罠について
村田さんが狩猟免許を取得したのは、今から約17年前の2007年の秋。
これまで野生動物はあまりいませんでしたが、突然イノシシに父親の畑を荒らされるようになり、免許を取得することを決めます。
最初はなかなか捕獲できずに悩んでいた村田さん。近所の方にやり方を教えてもらいながら試行錯誤の末、5頭ほどを箱罠で捕獲することができました。
その後も技術を学び経験を積んでいったことで、(野生動物が出現しなかった年を除いて)毎年数頭を捕獲することができました。
定年まで消防関係の仕事に勤めており、現役時代は仕事をしながら狩猟をしていた村田さん。仕事の傍らでなかなか山に行けないということもあり、長らく箱罠を使っていました。
2018年に「くくり罠」を導入し、3年後の2021年には”84頭”のイノシシやシカを捕獲することができました。要因としては、近所の方の高齢化に伴って村田さんが罠場を引き継いだこと、そしてなにより箱罠からくくり罠に変えたことで罠の数を増やすことができたからだと考えます。
84頭のうち、イノシシは19頭のみで、残りの65頭がシカという結果で、最近ではシカが多くなってきています。
捕獲後も自身で解体処理をする村田さんですが、特にシカは処理が大変で、シカ特有の筋肉質な肉に度々苦戦をしています。
解体したシカ肉は焼肉や燻製でおいしくいただいており、他にもイノシシの解体も練習中で、とても積極的に作業に取り組んでいます。
また、シカだけでなく、アナグマなどの小動物も多くなってきており、数が多い小動物は罠にかからないよう、くくり罠の荷重調整をするなどの工夫もしています。

家の裏にそびえ立つ裏山

家の2階からの景色
家の2階から、昔は田畑だった場所に設置している箱罠の状況を”目と音”で確認できます。
おすすめの商品
そんな村田さんがおすすめするイノホイ商品は「くくり罠 ストロング」。
もともと素材が木製であったものが樹脂製に変更されたことによってより使いやすく感じています。
くくり罠 ストロング
また、「イノシシホイホイ」も使い勝手がよく、イノシシがよく捕れるということで、猟友会の仲間にもおすすめをしています。
イノシシホイホイ
村田さんが知人に自作の箱罠を譲ってもらったことから箱罠が気になり、インターネットで調べて「イノホイ」と出会いました。

長年愛用しているくくり罠「ファーレ旭式 木製」
イノホイの商品の中でも長年愛用しているくくり罠「ファーレ旭式 木製」は、錆を落とし、水を吸わないようにペンキを塗ってメンテナンスをしています。
捕獲後の処理問題・跡継ぎ問題

村田さんが普段使っているくくり罠スプリングセット
村田さんが住む大分県別府市は、”猟友会所属のみが有害鳥獣捕獲できる”というのが現状で、猟友会として狩猟をしたとしても報奨金が低いため猟師が少ないことが課題となっています。
猟友会に所属していなくても捕獲ができ、それなりの報奨金がもらえるようになれば、狩猟がもっと身近な存在になるのではと村田さんは考えます。
また、若者や初心者への指導体制が整っていないことも一つの要因だと考え、村田さんのように知り合いに教えてもらえる環境であればよいのですが、村田さんの所属する別府市の猟友会では初心者が入ってきたとしても大半は辞めてしまいます。
村田さんの住む地域も、家が集まっているところには野生動物は現れませんが、裏山近くの家になるとイノシシやシカの出現が多く、村田さんは辞めることによる被害の増加を懸念しています。
「今、一番の懸念は跡継ぎ問題です。私が辞めた後、この地域の被害が一気に増えるのではないかと思っており、それが一番心配です。」
野生動物を捕獲した後の処理も一苦労です。
電気止めさしをしようと思ってもイノシシが暴れ回るため、空気銃なども駆使しながら止めさしを行います。
穴を掘って埋めるという処理をしているのですが、イノシシやイタチが掘り返したりするため、2〜3時間ほどかけて1m近く掘って対策をしています。
処理所で処理をしたくても、肉質が悪いものは受け付けられないなど、処理対象となるためには条件もあるため、処理についても問題視をしています。
また最近ではサルも多くなってきており、それに加え余裕ができればカラス対策も考えている村田さん。
イノシシの止めさしに使用している空気銃を買った経緯も、もともとは柿を食べにくるカラス用だったそうです。
「秋になると柿を狙ってカラスが群れてきます。100羽ぐらい寄ってくることもあり、追い払ったとしても、カラスはなかなか諦めてくれません。
最初は騒がしかったのですが、数日後には声をひそめてまた食べに来ていたので非常に賢いです。」
取材中にもサルが…
これまでに怖かった経験は、イノシシが罠にかかっていると思い油断をしていると、イノシシが自分で足を切って罠から逃げ出し村田さんの方へ向かってきたことです。
村田さんの横を走って逃げたため、怪我はありませんでしたが、足を切って逃げられる手法には何度か遭遇しています。
「簡単に罠にかかってくれるイノシシもいる一方で、匂いでわかるのか、くくり罠を掘るイノシシも多く、本当に困っています。」
罠に対する被害も多く、村田さんとイノシシの知恵比べとなっています。
今後の期待
イノホイ以外にも他の狩猟用品店も数店舗利用し、それぞれの店の商品をうまく使い分けている村田さん。
イノホイにはユーザーの声をぜひ積極的に取り入れ、ニーズに合った商品の取扱いでよりよい店になってほしいと願っています。

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