狩猟の際に必要なアイテムはいろいろありますが、手袋もその1つです。寒い時期や雨などの際に作業をスムーズに行うためだけではなく、手袋は狩猟のときに手や銃を保護するためにも用意しておきましょう。
本記事では、狩猟に使う手袋に必要な機能や狩猟用手袋を選ぶときのポイントについて詳しく紹介します。
目次
手袋は狩猟に必要なアイテムの1つ
狩猟の際には、さまざまな持ち物を用意します。銃猟の場合は銃を携帯して歩きますが、それ以外の猟でも無線や地図、コンパス、GPS、アーミーナイフ、保護用メガネなどがあるとよいでしょう。
また、安全を確保して狩猟を楽しむためにもハンティンググローブ・シューティンググローブと呼ばれるような手袋を用意してください。手袋は防寒の役目だけではなく、手や銃を保護し、仕留めた鳥獣の血液などからの感染症予防、また、ダニなどを介しての間接的な感染を防ぐためにも必要です。
使用する目的によって、用意する手袋の種類も変わってくるため、狩猟する時期や場所、作業内容に合わせて揃えておきましょう。
狩猟に便利な手袋
狩猟の際に便利に使える手袋は、次のようなものがあります。
- ・皮の手袋
- ・防寒手袋
- ・射撃用手袋
- ・軍手
- ・ニトリル手袋
皮の手袋は薄手のものも多く、滑りにくいため、銃を取り扱うときや山歩きの際に便利です。本革ではなく、人工皮革の手袋でもよいでしょう。防寒手袋は、寒冷地での狩猟や雪山での狩猟に欠かせません。手がかじかんでしまうと、狩猟の成果にも影響があるためしっかりと防寒効果の高いものを選びましょう。
また、銃猟の場合は、射撃用の手袋を持ち歩くのもおすすめです。射撃専用に作られているため、銃の引き金がスムーズに行えるよう工夫がされています。
軍手やニトリル手袋は、獲物を解体したり防刃用に必要です。汚れたらすぐに取り替えられるよう、手頃な価格のものを多めに用意しておくとよいでしょう。
狩猟で使う手袋に求められる機能性
狩猟で使う手袋は、一般的な手袋とは異なる機能性が求められます。使用目的や使う場所や時期などによって必要な機能は異なりますが、以下のような特徴を持つ手袋を探すとよいでしょう。
防寒
寒冷地や雪山での狩猟、冬のシーズンの狩猟などでは、防寒機能の高い手袋が欠かせません。丈夫で手袋の内側にボアがあるものや何層か重ねてあるものなどがおすすめです。狩猟は自然の中で行うもののため、凍傷などから手を守るためにも、冬に使う手袋は防寒性の高いものを選びましょう。
ただし、手袋の厚みがありすぎると手の動きを制限し、指先の感覚も鈍くなってしまいます。ちょうどいい厚さのものを選ぶか、厚手の手袋は獲物を探す山歩きのとき用として使うなどシーン別に使い分けるようにしましょう。
耐久性
狩猟用の手袋は耐久性に優れたものがおすすめです。山歩きをしていると、枝をかき分けて進んだり、木々が生い茂る場所や急斜面に手をついて獲物を追ったりすることもあります。
皮の手袋は滑りにくく丈夫ですが、皮の質や薄さによっては穴が空きやすいものがあります。狩猟用に作られた手袋や、ハンティングショップで取り扱う丈夫なものなら安全性を確保できるでしょう。
防水性
防水性も狩猟用の手袋には必要です。晴れていても狩猟の途中で天気が急変する、前日までの天候の影響によってぬかるんだ道や水滴のついた木々や葉の間をぬって狩猟を続けるといったこともあるでしょう。
また、雪山の狩猟の場合も、気温があまり下がっていないときは雪が降ってもすぐに溶けてしまうため、防水性の低い手袋では濡れてしまう可能性があります。また、雪の深い地域で狩猟する場合は、沢の中で獲物を獲り引き出すことが多いため、防水性の高い手袋が重宝します。
防水、または撥水加工してある手袋なら、水に触れるシーンでも安心して使えるでしょう。
通気性
狩猟用の手袋は、通気性もあるとよいでしょう。それほど寒くない時期や長時間銃を持って山を歩き回るときは、意外と汗をかくものです。
獲物を見つけた際に、銃で仕留めようとしても汗をかいていると滑ってしまうこともあり危険です。射撃用に指なしの手袋もありますが、山歩きをして狩猟を行う際にはあまり適していません。
ポリウレタン系の手袋などは、汗を吸い取りにくいこともあるため、通気性に優れた手袋を1つは用意しましょう。
指先の動かしやすさ
手や指先が動かしやすいかどうかも、狩猟用の手袋では重要です。たとえば、銃を撃つときは、トリガーを絞るという感覚がとても重要になります。防寒性を優先して厚手過ぎる手袋にしてしまうと感覚がずれてしまうことがあり、狩猟の妨げになることもあります。
また、弾の装着やジャケットのジッパーの上げ下げなどのちょっとした作業も、指先が動かしやすい手袋の方がスムーズに行えるでしょう。仕留めた獲物の腹出し作業などを行う場合も、手先の感覚が鈍らない手袋がある方が作業がしやすいです。
グリップ感
滑りにくさと合わせてグリップ感が強い手袋が、狩猟ではおすすめです。手を保護しながらも銃の引き金を引く動作や銃器を扱う作業などをスムーズに行えます。
銃器を使う前提で作られた手袋なら、指先側が少し細くなっているため、つけたときに指にぴったりとなじみます。
狩猟用の手袋を選ぶときのポイント
狩猟用の手袋を選ぶときのポイントをご紹介します。使うシーンをイメージして必要な機能があるものを選びましょう。また、コスパも重要なポイントです。
狩猟用の手袋は、汚れたり山歩きで使ったりするため、高価なものを長く使うよりも手頃な価格の手袋をどんどん買い替えた方が快適に使える場合もあります。
暖かい素材か
雪山や寒冷地、冬の狩猟に使う手袋は、防寒性に優れたものを選びましょう。ただし、雪が降っているか降らないところで使うかによって、手袋は使い分けた方がいいかもしれません。
雪を想定した狩猟の場合は、防水効果もある手袋の方が便利です。防水加工がなく防寒性だけの手袋では、狩猟をしている間に雪が手袋に入り込んだり指先から水が染みて手がかじかんでしまったりします。
雪山での狩猟の場合は、防寒性のほかに撥水加工や防水加工を施したものを選びましょう。
ストレッチ性があるか
手袋にストレッチ性があるかをチェックしましょう。伸縮性があれば手指を動かしやすいため、狩猟の際のちょっとした動きもスムーズに行えます。
ただし、ストレッチ性だけがある手袋では、山歩きや狩猟のハードな動きから手を十分に保護することはできません。ストレッチ性に優れながらも、耐久性のあるものが適しているでしょう。
たとえば、手の甲にストレッチ素材を使い、手のひらの部分には耐久性のある素材を使った手袋など、狩猟向けの構造で作られたものがおすすめです。
適度な薄さか
手袋の厚みも狩猟には大きな影響を与えます。適度な厚みのものを選びましょう。防寒性を優先しすぎると、どうしても厚みが増してしまいます。そのため、狩猟の細かい作業に支障が出てしまうこともあるでしょう。
手袋で寒さ対策をする場合は、ライトダウンジャケットのような薄手の生地で温かい手袋がおすすめです。特に、銃猟を行う場合は、手袋をしていても用心金に指が入るか、トリガーを正確に絞れるかを重視しましょう。
手袋の裾が絞れるか
寒さ対策として手袋を選ぶ場合、手袋の裾に伸縮性のあるものや裾が絞れるものが便利です。裾がフィットしない手袋の場合、透湿性と防水性があっても雪や雨が入ってしまい中が濡れてしまうことがあります。
手袋の裾をしっかり絞っておけば、雪や雨の猟でも手袋の中が濡れることはありません。
手頃な価格か
狩猟で使う手袋は、傷みやすく汚れもつきやすいものです。手頃な価格で買えるものがおすすめです。洗えるものなら、何度も洗ってヨレてきたときに買い替えられます。
また、手洗いできない手袋でも、1,000円前後の手頃な価格のものがおすすめです。狩猟に行くときには、予備や用途に合わせて手袋を2〜3枚持っていくこともあるため、狩猟用としていくつか揃えておいて、使い回すとよいでしょう。
ちょうど良いサイズか
手袋が手にフィットするかどうかを確認しましょう。あまり大きすぎると、狩猟に影響が出てしまいます。また、小さすぎる手袋も、長時間狩猟を行う際は、手が疲れてしまうでしょう。
自分の手にぴったりのサイズを選んでください。また、防寒目的の手袋の場合は、防寒用の手袋の下に解体用のニトリル手袋をつけることもあるため、1サイズ大きめの手袋を選んでもよいでしょう。
狩猟の際は目的に合った手袋を用意しよう
狩猟する際は、寒冷地や雪山など以外の場所でも、安全に狩猟を行うために手袋をした方が安心です。防寒目的でも雪や雨を想定した狩猟と、それ以外では手袋に求める機能が異なります。
狩猟する場所や気候、目的に合わせて手袋を用意しておきましょう。また、獲物を捕獲した後に使う手袋も必要です。用途に合わせて、予備も含めてちょうどいいサイズの手袋を揃えてください。