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紅葉に包まれた里山で出会った、命と向き合う狩猟家

紅葉に包まれた里山で出会った、命と向き合う狩猟家

恵那市山岡町・つながるLabo代表 松原竜也さんインタビュー

イノホイ会員さま

松原竜也さん
(イノホイ歴:4年)

岐阜県恵那市山岡町は、中央アルプスの穏やかな山並みに抱かれた、どこか懐かしさを感じさせる里山の町。清らかな山水と澄んだ空気に恵まれ、四季折々に表情を変える自然が、訪れる人の心をやさしく癒してくれます。
町の歴史は古く、夜明け前の田園に響く鶏の声や、夕暮れに立ちのぼる炊事の煙が、今も昔と変わらぬ暮らしのリズムを刻んでいます。名物は全国に名を知られる寒天づくり。冬の冷え込みと清冽な水が生み出す山岡寒天は、多くの和菓子職人に愛され続けています。

町を歩けば、どこかゆったりとした時間が流れ、遠くに見える山の稜線と田畑の緑が心をほどいてくれる。山岡町は、日常から少し離れて深呼吸したくなる、静かな魅力に満ちた場所です。

今回訪れたのは、ちょうど紅葉が見頃を迎えた絶好のタイミング。思わずこのまま観光をして帰りたくなるほど、里山は美しい彩りに包まれていました。
そんな紅葉の中に佇む「つながるLabo」。ここで、当社イノホイの商品を長年ご愛用いただいている、代表の松原竜也様にお話を伺いました。

里山にひらかれた交流拠点「つながるLabo」


つながるLaboは、6,000坪を超える広大な敷地を有するキャンプフィールド「Rustic field 郷山広場」を運営しています。
自然豊かな里山環境をそのまま活かし、キャンプやアウトドア体験を通して、都市では味わえない“暮らすように自然と向き合う時間”を提供する拠点です。

さらに、完全予約制のジビエ・田舎飯を味わえる飲食店「Rustic Dining」も運営。松原様ご自身が狩猟家であることから、狩猟活動と飲食、地域交流が一体となった、他にはない里山モデルがここには息づいています。

事業としてサスティナブルに継続運営をして行くには『地域貢献』が大切、という想い、活動が認められたことで、Rustic field、Rustic Diningは以下のように様々な行政機関から登録認証を得ているとのことです。

・岐阜県農林振興課より『岐阜ジビエ』
・恵那市SDGs推進協議会より『宣言登録』
・恵那市商工課より『えなふうど』

ハンターとして…獣害捕獲・農業被害防止
キャンプ場として…観光誘致・関係人口推進 飲食店として…
ジビエ利活用・命の授業 愛玩動物飼養管理士として…犬猫保護・外来種駆除・固有種保護
建設業として…古民家再生・移住促進など

様々な角度から想いと活動を行政機関に認められたことは大変喜ばしい限りとお話されていました。


現在は、近くの道の駅・山岡ばあちゃん市にて、ジビエ冷凍食品『しかちゃん』の販売もスタート。
一般家庭でも気軽にジビエを楽しめる取り組みとして、啓蒙活動にも積極的に力を注がれています。

名古屋から山岡へ。人生を変えた大きな転機

「もともとは名古屋で建設業を営む経営者でした。しかし12年前、がんを患い余命宣告を受けたことが、人生の大きな転機になりました」 そう語る松原様。気持ちが沈みがちになる中、心を少しでも和らげたいと、先祖が所有していた恵那市の土地や建屋、畑の再生に着手したことが、山岡町との本格的な関わりの始まりだったといいます。

12年という長い歳月をかけて少しずつ土地を整え、3年前には名古屋の会社を休眠。完全に山岡町へ移住する決意を固めました。その矢先、1反を超える畑が猪による深刻な食害を受けます。「このままでは農業も暮らしも成り立たない」。そうした危機感から、狩猟免許と猟銃の資格を取得し、自ら有害鳥獣対策に立ち上がったのです。

犬や猫の保護活動にも携わってきたという松原様は、「最初は猪や鹿を撃つことが本当に辛かった」と当時を振り返ります。それでも、農業と地域の暮らしを守るため、覚悟をもって銃を握り続けてこられました。

命を無駄にしないためのジビエ活用


現在つながるLaboで提供されているジビエは、恵那市岩村町にある、地元猟師仲間の運営する「岩邑ジビエ」の加工処理施設にて、衛生管理と認定基準を満たしたものだけを使用。捕獲から加工、流通まで、すべて「命を無駄にしない」ための仕組みが丁寧につくられています。

鳥獣被害と向き合う現実

恵那市は、豊かな自然に恵まれる一方で、猪や鹿による鳥獣被害が慢性的な課題となっています。農業が盛んな土地柄、被害は季節を問わず発生し続けています。2025年には自治体の補助金を活用し、約2kmにわたる鹿用フェンスを新設するなど、捕獲だけに頼らない“予防型対策”も強化されています。

ジビエを山岡の“誇れる産業”に

「ジビエと聞くと、まだまだ“くさそう”“硬そう”というイメージが先行しています。でも、正しく捕獲し、適切に処理された肉は、牛・豚・鶏にも負けない素晴らしい食材です」 松原様はそう力強く語ります。農業被害を防ぐために捕獲された動物たちは、人の命を支えるべく生まれ変わる尊い存在。その命を最後まで大切に扱い、美味しい料理として多くの人に届けたい。そして、山岡町を訪れる人々の“目的地”になるようなジビエブランドへと育てていきたい――。

将来的には、岐阜県や恵那市から公式に認定される産業へと発展させ、ジビエ文化を「美しく、誇れる地域資源」として次世代へつないでいくことを目指しています。「動物たちの正しい情報や、正しい向き合い方が、社会全体で見直されていく。そんなきっかけを、ここ山岡からつくりたいんです」。

紅葉に包まれた静かな里山で、命と真摯に向き合いながら、新しい地域の未来を描く松原様の挑戦は、今日も続いています。

松原竜也さんの愛用商品

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