【特別編】宮崎大学 2/2
趣味の狩猟で世界が広がる
- イノホイ会員さま
-
迫田 匡史さん(大学4年生)
(イノホイ歴:1年)
当社では鳥獣被害対策用品を販売しておりますが、狩猟に関する情報が集めにくいという声も多く寄せられております。
そこで私たちは、実際のお客様のリアルな声を発信することで、初心者から上級者まで、狩猟に関わるすべての人に、なにかの気づきや安心感を提供したいと考えました。
今回の取材記事は特別編。
宮崎大学で鳥獣被害対策の研究に携わる4人にお話を伺い、2回に分けた記事にしました。

左から:室屋さん、西脇教授、迫田さん、重信さん
今回の記事で取材させていただいたのは、迫田 匡史(さこだ まさふみ)さんです。イノホイ歴は1年。
現在、宮崎大学の農学部に通っており、イノシシなどの狩猟や研究を行っています。
大学で一緒に活動をしている先輩の室屋敦紀さんとともに取材をさせていただきました。
室屋さんの記事はこちら。
今回は、イノホイ会員さま若年層代表として迫田さんにお話を伺いました。

狩猟は大きな成果物があってやりがいを感じます
迫田さんについて
迫田さんは宮崎大学 農学部 森林緑地環境科学科の4年生。
大学の研究室でイノシシや獣害に関する研究を行っており、研究室の先生である西脇教授の紹介で、今年(2024年)の4月に室屋さんに出会いました。
鹿児島県出身で、室屋さんとはなんと出身校が同じという偶然。年が10歳ほど離れていますが、先輩後輩というつながりもあることと、なにより共通の話題があることで意気投合しました。
今では一緒に狩猟をしたり、室屋さんが仕事の一環として小学校で電気柵の授業をするときのお手伝いなどもしています。
迫田さんが狩猟を始めたきっかけは、小さい頃からの憧れからでした。
昔から自然で遊ぶことが好きで、蛇を食べてみたり草を食べてみたりと好奇心旺盛だったそうです。
小さい頃から狩猟をしたいと強く思っており、今から3年前にわな猟免許が取得できる18歳になって晴れて免許を取得しました。
免許を取った後は、罠をしている知り合いからいろいろと教えてもらいながら今に至ります。
迫田さん:
「狩猟については、”師匠”に一から教わりました。師匠は昨年亡くなられたのですが、罠の使い方であったり、狩猟のノウハウなどたくさん教えてもらいました。」
猟の面白さ
これまでイノシシは車で見かけたり、足跡を見つけたりと実際に面と向かって見る機会がめったにありませんでした。
思ったとおりにいかない野生動物の行動に、動物たちとの知恵比べも狩猟の楽しみの一つとなっています。
迫田さん:
「自分で捕って解体して実際に食べてみてと、お肉という成果物があるところも含めて楽しいなと思いますね。」
食べることが大好きな迫田さんのおすすめの食べ方は「しし鍋」。
だし、しょうゆ、みりんを入れた鍋にメインの猪肉とネギ、大根を入れていただきます。
事前にグツグツと沸騰したお湯に猪肉を入れて”あく抜き”をすることがポイントです。
また、河原で肉の処理をした際にその場でバーベキューにしていただく「ハツ」も絶品です。
使用している罠
主に使用している罠はくくり罠です。
これまでくくり罠でしか捕獲できておらず、3カ所設置している箱罠はいつも空振りで一度も捕獲できたことがないといいます。
大学近くの川や田んぼ、山などに罠を設置し、都度見回りをしている迫田さんですが、一人での狩猟や見回りには限界があるということで、今では、大学の生物研究サークルで知り合った後輩の重信さんと一緒に活動をしています。
重信さんについて
重信さんは宮崎大学 農学部 応用生物科学科の2年生。
大学のサークルで迫田さんと知り合い、迫田さんの狩猟の話を聞くうちに興味を持ち、わな猟免許を取得し狩猟をしています。
そんな重信さんは、狩猟業界には珍しい若年層の女性です。周りからもよく驚かれるようです。
重信さん:
「サークルや大学内では珍しくはないのですが、大学の外では、私が狩猟をやっていると言うとたいてい驚かれますね。」

重信さん
高校卒業までインドア派であった重信さん。大学から積極的に外に出るようになり、さまざまな世界を知って、面白いと感じるようになりました。
重信さん:
「免許取得可能年齢が18歳に引き下げられたことが嬉しいですね。早いうちに免許を取れて、自分で獲物を取って処理したりとできることが増えて楽しいです。」
2015年にわな猟免許の取得可能年齢が18歳に引き下げられ、補助金も出ているため、免許を取得する若い層が多くなりました。
しかし、免許は取得したものの更新まではしないといういわゆる”ペーパーハンター”が多いことが問題視されています。
迫田さんと重信さんが所属しているサークルでは、2人を含めて計3人の学生がわな猟免許を持っています。今年も新たに2人が取得する予定です。

左から:重信さん、迫田さん
今の課題と迫田さんの思い
「猟友会に所属しているが、期待していた情報があまりもらえなくてうまく活用できていない」と迫田さん。
猟友会には狩猟免許の登録などの手伝いをしてもらえたものの、それ以降のつながりはあまりありません。
迫田さん:
「狩猟に携わる知り合いが増えるかなと期待していたのですが、わな猟免許だけでは今のところ難しいですね。」
猟友会の鉄砲隊所属であれば、巻き狩りなどグループで動いたり、射撃場で施設のスタッフが話しかけてくれたりと、知り合いを増やせる環境にあるようですが、迫田さんが現在保有しているのが、わな猟免許だけということでそのような環境にないことが現状です。
あまりつながりはないものの、「人の優しさや温かさは感じます」と迫田さん。
迫田さんが免許を取りたての頃、猟友会の仲間の領域に知らずに罠をかけてしまったことがありましたが、その際はルールを優しく教えてもらえて大きな問題にはなりませんでした。
迫田さん:
「罠の効果的な使い方であったり、狩猟業界に関してまだまだわからないことばかりなので、もっと狩猟つながりの知り合いを増やして知識と経験を得ていきたいと思っています。」
また迫田さんは現在大学4年生ということもあり、卒論の準備を進めています。
テーマは『二ホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)のわな猟における捕獲効率に影響する要因』で、捕獲結果のデータを猟師から集計して、どの要因であればより多くのイノシシが捕獲できるのかを探ります。
迫田さんがまだ狩猟を始めて3年とまだ初心者であることから、自身の捕獲頭数を増やすためには猟師に聞くのがいいのではないかと考え、今回研究をすることとなりました。
迫田さん:
「宮崎県内を中心として猟師にアンケートを取り、会いに行ける方には直接会ってお話を聞く予定です。どんな結果が出るのかワクワクしています。」
若いハンターのこれからの成長と、狩猟業界での今後の活躍が楽しみです。
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